平安時代初期から京都にある住吉神社

大阪に住吉大社という有名な神社があります。

住吉大社には、住吉三神と呼ばれる海神が祀られています。

そのため、海運業や漁業関係者からの崇敬が篤く、大阪だけでなく、海上交通の拠点となる地には住吉神社が建てられ、全国に2千以上もあるということです。

あまり海とは関係のない京都市内にも下京区に住吉神社があります。

禊祓いの神さまとしても崇められている

住吉神社に祀られている住吉三神とは、底筒男命(そこつつのおのみこと)、中筒男命(なかつつのおのみこと)、表筒男命(うわつつのおのみこと)のことです。

住吉三神は、伊弉諾尊(いざなぎのみこと)が黄泉(よみ)の国から帰ってきたときに生まれた神さまです。

黄泉の国から帰ってきた伊弉諾尊は、穢れを祓うために水辺に行きます。

そして、穢れを祓った後、川の底にもぐって身を清めました。

その時、6柱の神さまが生まれます。

これらの神さまは、海の神として崇められ、そのうちの底筒男命、中筒男命、表筒男命が大阪の住吉大社に祀られることになりました。

その後、中国に遣唐使が送られるようになると、朝廷は、その航海安全を祈願するために住吉大社に捧げ物をするようになります。

こうして、住吉大社は発展していったわけです。

京都市内には海はありませんが、住吉神社は、旅行渡海、交通安全のご利益を授けてくれます。

また、住吉三神が禊祓いの神さまとして崇められていることから厄除のご利益も授けてくれます。

境内の様子

京都市下京区の住吉神社はそれほど大きな神社ではありませんが、玉垣の近くにたくさんの幟が立っています。

入口

入口

住宅街の中に突然現れるので、少し違和感を覚えますね。

境内には、小さ目の社殿が建っています。

その前にある朱色の鳥居が目を引きます。

境内

境内

境内には、神社の由緒書のようなものは見当たらず、御神徳について説明されたものがあるだけでした。

そこには、平安時代初期から続く神社であることが記述されていたので、京都市内にある神社の中でも、歴史のある神社だということがわかりました。

他には、夫婦、家族の円満、縁結びにも霊験あらたかと書かれていました。

また、ここには記述がなかったものの、住吉三神は、和歌の神としても崇敬されているので、住吉神社に参拝すれば、学芸上達のご利益も授けてくれるかもしれません。

境内の様子を見た感じだと、地元の人たちが参拝する神社といった雰囲気で、遠方からお参りに来る人は少なそうでした。

京都市内で、他に住吉神社を見かけたことがないので、住吉三神にお参りするなら、下京区の住吉神社を訪れることになりそうですね。