たくさんある清水寺の七不思議

京都市東山区に建つ清水寺には、七不思議が存在します。

京都の観光名所には、こういった七不思議がよくあるのですが、清水寺の場合、不思議は7つだけでなく、それ以上伝わっています。

そこで、今回の記事では、私が実際に清水寺に訪れて確認してきた不思議を紹介します。

その1.善光寺堂の首振地蔵

まず最初の不思議は、清水寺の入り口付近に建っている善光寺堂の首振地蔵です。

一見すると、どこにでもあるお地蔵さんのように思えます。

ところが、このお地蔵さんの首は、なんと360度ぐるぐると回るのです。

首振地蔵

首振地蔵

上の写真の右側をご覧ください。

正面を向いていた首を回して、斜めの位置で止めてみました。

なお、首を回す前には、しっかりと合掌しましょう。

ちなみに首振地蔵は、待ち人祈願に霊験あらたかというこで、待人地蔵とも呼ばれています。

その2.馬駐

2つ目の不思議は、首振地蔵の近くにある馬駐(うまどめ)です。

ここは、馬をつなぐところです。

貴人たちが清水寺に参詣した際、ここに馬をつないでいたそうです。

馬の手綱をつなぐ鉄製の輪がいくつかあるのですが、なぜか2ヶ所だけ輪の付け方が他と異なっています。

通常は、輪が横向きについているのですが、2ヶ所だけは下向きに付いています。

これは不思議です。

馬駐。なぜか2ヶ所だけ輪が下向きに付いている。

馬駐。なぜか2ヶ所だけ輪が下向きに付いている。

その3.岩駒の「虎の図」石灯篭

3つ目の不思議は、西門の右下にある石灯篭です。

この石灯篭は、岩駒(がんく)の「虎の図」石灯篭と呼ばれ、そこに刻まれている虎が毎晩吠えたり、池の水を飲むために抜け出すと言われています。

岩駒の「虎の図」石灯篭

岩駒の「虎の図」石灯篭

また、この虎は、どこから見ても睨んでいるように見えるといった不思議もあります。

その4.仁王門前の狛犬

清水寺の入り口の仁王門前には、2体の狛犬がいます。

通常、狛犬は、1体が口を開けた阿形(あぎょう)で、もう1体が口を閉じた吽形(うんぎょう)なのですが、仁王門前の狛犬は、なぜか2体とも口を開けた阿形となっています。

2体とも口を開けた阿形の狛犬

2体とも口を開けた阿形の狛犬

その5.目隠し門

狛犬の後ろに建つ仁王門も清水寺の不思議のひとつです。

清水寺の仏堂が仁王門に邪魔されて見えないことから、この門は、別名目隠し門とも呼ばれています。

目隠し門とも呼ばれる仁王門

目隠し門とも呼ばれる仁王門

ちなみに清水寺の仁王門に安置されている仁王像は、高さが365cmあり、京都最大級とのこと。

また、仁王門にかかる「清水寺」の額は、小野道風(おののとうふう)、藤原佐理(ふじわらのすけまさ)と並び、三蹟の一人に数えられている藤原行成(ふじわらのこうぜい)の筆と伝えられています。

その6.仁王門の腰貫

6つ目の不思議も仁王門にあります。

仁王門の正面右手には、下の写真に写っている腰貫(こしぬき)があります。

仁王門の腰貫

仁王門の腰貫

くぼんでいる部分をカンカンと指先で叩くと反対側にその音が伝わると言われています。

しかし、友人に実際に叩いてもらいましたが、全く聞こえませんでしたね。

何か叩き方にコツがあるのでしょうか。

その7.鐘楼

仁王門をくぐった先に建つ鐘楼が7つ目の不思議です。

鐘楼

鐘楼

通常、鐘楼を覆っている建物は、足が4本なのですが、清水寺の場合、足が6本もあります。

言われてみなければ、気づかない不思議です。

その8.石灯篭内の観音菩薩像

七不思議なので、上記7つで終わりのはずなのですが、清水寺にはまだまだ不思議があります。

8つ目の不思議は、石灯篭内の観音菩薩像。

随求堂(ずいぐどう)の前には、いくつか灯篭があるのですが、それらの中に下の写真に写っている灯篭があります。

石灯篭内の観音菩薩像

石灯篭内の観音菩薩像

石灯篭の中には、観音菩薩像が祀られています。

この観音菩薩像は、平家滅亡後に平景清が牢獄の中で、自分の爪で石に彫ったものと伝えられています。

その9.三重塔の瓦

9つ目の不思議は、三重塔の瓦です。

各層の角にある瓦は、鬼瓦なのですが、なぜか南東角の瓦だけ龍の形をしています。

三重塔の龍の瓦

三重塔の龍の瓦

三重塔を遠くから見るだけでは、絶対にわかりません。

龍の瓦があることを知らなければ、実際に三重塔を見ても気づかないと思います。

その10.経堂の鏡天井

10個目は、三重塔の奥に建つ経堂の中にあります。

経堂

経堂

経堂の鏡天井には、江戸時代の画家の岡村信基筆の円龍が描かれているのですが、実は、この龍が夜になると音羽の滝の水を飲みに行くそうです。

なお、普段は経堂内の拝観はできません。

なので、円龍は実際に見ることができませんでした。

毎年2月15日に催される涅槃会(ねはんえ)では、経堂に大釈迦涅槃図が掛けられ、一般の参拝者も無料で堂内に入れます。

涅槃会の日に清水寺に参拝した時は、経堂に描かれた円龍を見ておきたいですね。

その11.轟門

清水寺の不思議も11個目。

拝観入口となっている轟門(とどろきもん)は、門なのになぜか扉がありません。

轟門

轟門

その12.轟橋

12個目は、轟門の前に架かっている轟橋です。

轟橋

轟橋

通常、橋の下には、水が流れているものですが、なぜか轟橋の下には水が流れていません。

橋を架ける必要があったのかどうか、なんとも不思議です。

その13.梟の手水鉢

まだまだ続く清水寺の不思議。

13個目は、轟門前にある梟(ふくろう)の手水鉢(ちょうずばち)です。

梟の手水鉢

梟の手水鉢

この手水鉢の水を飲むと頭痛や歯痛が治ると伝えられています。

写真には写っていませんが、手水鉢の台座には、梟が刻まれています。

その14.弁慶の鉄の杖と下駄

14個目の不思議は、清水の舞台にある弁慶の鉄の杖と下駄です。

弁慶の鉄の杖と下駄

弁慶の鉄の杖と下駄

大きな杖は96kg、小さな杖は17kg、下駄は片方12kgもの重量があるそうです。

力持ちの弁慶じゃなければ装備できませんね。

また、これらは音羽の滝の行者が満願成就のお礼に奉納したとも伝えられています。

その15.弁慶の指跡

15個目の不思議も弁慶と関係があります。

清水の舞台の東の壁の膝くらいの高さのところに溝がほられています。

実は、この溝は弁慶が指でほったものだそうです。

弁慶の指跡

弁慶の指跡

夜に願掛けのために清水寺に参拝した人が、暗闇の中を歩くとき、本堂の壁を頼りにしてできた溝とも言われています。

ちなみに清水寺の本堂は、江戸時代初期に建立されています。

武蔵坊弁慶は、平安時代末期のお坊さんですから、本堂建立時には亡くなって500年近くが経過しています。

その16.音羽の滝

16個目は音羽の滝です。

音羽の滝

音羽の滝

音羽の滝の入り口には、水を汲もうとする観光客の方や修学旅行生の列がいつもできていますね。

そんな大人気の音羽の滝ですが、その昔、水源の牛尾山で大蛇退治が行われた時、滝の水が真っ赤に染まったと伝えられています。

その17.弁慶の足形

17個目は仏足石です。

仏足石は、他のお寺でもよく見かけるのですが、清水寺の仏足石は弁慶の足形と伝えられています。

弁慶の足形と伝わる仏足石

弁慶の足形と伝わる仏足石

とても大きな足形です。

こんな大きな足だと、身長が3メートルくらいありそうですね。

仏足石は、轟門をくぐった右側に建つ朝倉堂の近くにあります。

以上が、清水寺に実際に訪れた時に確認した不思議です。

清水寺に参拝した時には、ぜひ、この記事で紹介した不思議も見てください。

なお、清水寺の詳細については以下のページを参考にしてみてください。

宿泊

コメント

  1. 匿名 より: