様々な色の花を咲かせる五色八重散り椿・地蔵院

北野天満宮から南に少し歩くと地蔵院というお寺があります。

地蔵院は、椿寺とも呼ばれているとおり、春になると境内に植えられた椿が見頃を迎えます。

花が大きい五色八重散椿

地蔵院の境内は、まずまず広いのですが、大部分が墓地のため、参拝できる場所は細長くなっています。

地蔵院の入り口

地蔵院の入り口

入り口の門をくぐって、右側を見ると椿がたくさんの花を咲かせていました。

この椿は、五色八重散椿(ごしきやえちりつばき)といいます。

入り口付近の五色八重散椿

入り口付近の五色八重散椿

安土桃山時代、朝鮮に出兵した加藤清正が蔚山城(うるさんじょう)から持ち帰った椿を豊臣秀吉に献上し、それを北野大茶湯の際に秀吉が地蔵院に寄進しました。

それが、当寺の五色八重散椿だったのですが、昭和58年(1983年)の春に枯れてしまいました。

現在、入口近くに植えられている椿は2代目で、樹齢約120年だそうです。

五色八重散椿は、他の椿と比べて2点変わったところがあります。

まず1点目は、1本の木にピンク色、白色、赤色、絞りが入ったものなど、いろいろな花を咲かせることです。

下の写真の左上の花はピンク色で、中央やや右の花は白色にピンク色の絞りが入っていますね。

写真だと分かりにくいですが、この椿の花は、通常のものよりもかなり大きく、直径はソフトボールくらいあります。

ピンク色の花と絞りが入った花

ピンク色の花と絞りが入った花

2点目は、花の散り方です。

通常、椿は、花が丸ごと地面に落ちるのですが、五色八重散り椿の場合は、桜のように花弁が1枚ずつ散っていきます。

地蔵院の境内には、椿の他に1本だけ枝垂れ桜が植えられています。

訪れる時期が良ければ、満開の桜と椿を観ることがきますよ。

枝垂れ桜と椿

枝垂れ桜と椿

中庭にもある椿

五色八重散椿は、中庭にも植えられています。

中庭は、入口からまっすぐ進み、地蔵堂を右に曲がり、さらにもう1回右に曲がると到着します。

近くには、赤穂浪士の討ち入りを助けた堺の商人天野屋利兵衛の墓があります。

天野屋利兵衛の墓

天野屋利兵衛の墓

ちなみに天野屋利兵衛は、山科区の大石神社の境内にある義人社に祀られています。

中庭に植えられている椿も2代目です。

私が訪れた4月中旬には、多くの花が散っていましたが、それでも木にはたくさんの花が残っていました。

中庭

中庭

こちらの椿には、入口付近では見ることができなかった真っ白な花が咲いていました。

中庭の五色八重散椿

中庭の五色八重散椿

地蔵院の五色八重散椿の開花時期は、3月中旬から2月初旬頃です。

この時期になると、桜が開花し、多くの方がそっちに夢中になりますが、椿の観賞にもちょうど良い時期なので、ぜひ、地蔵院にも訪れてみてください。

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